『ファイト・クラブ』原作本を読んだ感想 & 映画版との比較

チャック・パラニュークの小説版

積読していた『ファイト・クラブ〔新版〕/ チャックパラニューク』をキンドルで読みました。

「ファイトクラブ」と聞けば
年代的にラーメン屋の「ガチンコファイトクラブ」を思い起こす人が多いかもですが、
そうではなくて、映画で有名な『Fight Club』の
チャック・パラニューク原作(小説版)のこと。

ピクシーズの来日ライブ(主題歌繫がり)で積読していた『ファイトクラブ』を読み終えました。

 

レビュー・感想

映画版との違いも含め、ざっくり感想を箇条書きで。

・小説版は物語の鍵となる「あの仕掛け」についてわりと初めの段階から
あっぴろげに書いている。前半部分から気づく人は多いかも?

・「ファイトクラブ」の集団が、映画版以上に犯罪集団化している

・映画は意外と忠実に文章を忠実に再現している。
原作リスペクト感があって◎
タイラーのキスマークも、バイトの男を殴るシーンも原作そのまんま。

・CGの使い方も嫌らしさがなくてちょうどいい塩梅。

役者・俳優の力ってすごい。
ブラピやヘレナ・ボナム=カーター(ハリーポッターのベラトリックス約の女性)がいなければ成り立たない作品だったかと。

・資本主義社会への批判が 映画以上に痛烈。

・映画だと映像化できないようなもっと過激で下品な内容も多い

・(軽くネタバレ)
結末が映画版とはちょっと違う。

 

印象に残った文章を軽く引用。

ファイト・クラブ規則第一条、ファイト・クラブについて口にしてはならない。

 

“ファイト・クラブでの夜が明けると、現実世界のあらゆるもののボリュームが下がる。何が起きても腹は立たない。”

 

“タイラーと闘いながら、この世のあらゆる問題と闘えそうな気になっていた。カラーのボタンを壊して返したクリーニング屋。数百ドルの貸越になっている銀行口座。”

 

“マーラが叫んでいる。「ママを煮たのね!」”

 

あとがきもぶっ飛んでるのがこれまたいい。

“ファイト・クラブは昔からあった。ファイト・クラブはこれからもあり続けるだろう。
ウェイターはこれからもスープに小便を垂れるだろう。人はこれからも誰かを愛するだろう。”

 

ちなみに作者のチャックパラニュークは、
ウクライナ系の家族のもとに生まれたゲイの作家で。
いまでもカルト的な注目を集める人気ぶり。

デビッド・フィンチャーの監督した映像もいうことなしの名作。

シナリオも世界観も、ジェンダー的にも映像的にも、
格闘技的にも楽しめる一冊なので、
はじめは映画版だけでも観てほしいなと。

(ひじょーに 男臭い映画ではあるので、
女性にはおすすめしにくかったりはするのですが)

 

映画はオシャレにまとまっているというかなんというか、
でもあれをよく映像化できたなと驚くばかり。

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