碁盤の目の功罪と空間ナビゲーション能力に与える影響

京都人の認知力

小長谷有紀さんの「現代のことば」(エッセイ・社説のようなもの)が
興味深かったので、軽く紹介。

京都新聞  5/25 夕刊より。

紹介されていたのは、
「都市で失われるもの 格子状に計画された都市環境は将来の空間ナビゲーション能力の妨げになる」という学術誌『ネイチャー』に掲載された研究。

碁盤の目といえば、京都のシンボルだけど、
・・・どうやら決していいことばかりではないらしい。

あまりに計画的に作られた都市だと、
空間ナビゲーション能力=いわゆる方向感覚が養われにくいんだそう。

もちろん正確な比較なんてできないんだろうけど、
確かに通り名さえわかっていれば、
なんとかたどり着けてしまうので、
方向感覚は他の都市よりも養われにくいのかもしれない。

 

たとえば、
モロッコの迷宮都市、Fez(フェス)の住民や、
ロンドンのタクシー運転手の方と比べると、

通り名に慣れた京都市民の空間ナビゲーション能力はやっぱり低いんだろうなと思いつつも、
やっぱ京都は碁盤の目がなくちゃな、と思ってしまう。

小長谷有紀さんはさいごに、

エントロピーの高いところと低いところを共存させることもできるだろうし、
そもそも私たちがいろいろな街を経験すればいいではないか。

で文章を結んでいるのが最高だな、と。

・碁盤の目の功罪 小長谷有紀(日本学術振興会監事・文化人類学) 京都新聞 現代のことば より
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/799492

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