最近、こんな記事を読んだ。
<ポートランド日本庭園>から、日本庭園の魅力とは何かを考える。 – https://sustainable.japantimes.com/jp/magazine/416
中西玲人さんが担当されたアメリカの日本庭園についてのインタビュー記事。
「大きな敷地に8種類の様々な日本庭園がこの完成度で存在するのは他に類を見ません。様々なスタイルの庭を一か所で見られるということで、”庭の美術館“と呼んでよいかもしれません。庭園の面白さが凝縮されていて、世界中の人たちが楽しみ、学び、インスパイアされる企画がある、こういうタイプの庭園はとても貴重だと思います」と語る。
22,000㎡と馬鹿でかい敷地。そりゃあインパクトありそうだなと。
中西に日本庭園の奥深さについて、それがどの点にあるのか聞いてみると2つの点を指摘した。一つ目は、何百年に渡り培われてきた“エンジニアリングと美の融合”だという。
歴史が受け継がれているというのはやっぱり強い。
まだ比較的歴史の浅いアメリカからすると、ここが魅力的に映るのはまあそんな気がする。
そうすると、ヨーロッパ人がみる日本庭園はまた違った魅力がありそう。
草木の剪定で、一見不条理に見える切り方が、実は5年後にすごく美しい庭の構成要素になるといった具合です。それは日本の植栽技術があるからできる技でただランダムに切っているわけではないということ。そし数年後に理想の姿になることも想定し“自然を読む”という奥深さは、これから益々海外が注目していく点でしょう」。
なるほど、海外だと確かに形を詰めて刈り込んでいく、というイメージが強い。
日本庭園が内包するもうひとつの奥深さについて中西は、日本庭園とは“完成形のないランドアートだ”と言う。
西洋では確かに左右対称で整った完成系を目指してつくっている気がする。
「作庭家はすべての季節を想定して庭を造っています。ここを訪れた人も、今見た瞬間の庭の姿を見て好きとか嫌いとかを論じるのではなく、一年を通じて庭を見ることで、自分の好きな季節や風景のコンポジションが出てきます。それは、知的な刺激にあふれる体験で、季節の移ろいを感じやすくなり、日本人のもつ自然感や自然との共生を感じることにも通じます。また、リチャード・セラやジェームズ・タレル、イサム・ノグチといった芸術家がインスピレーションを求めた先のひとつが日本庭園だったという話を、庭園を訪れた人に説明すると、観覧者はここが単なる植物園や散策する場所ではなく、創造性の源なのだ、という風に庭園への見方が変化します。
現地では、意外と若い層も訪れているみたいで、
日本とはまた違った受け取られ方をしているのかなと思うとちょっと不思議な感じ。
今日はそんな感じで。
かわなみ