濱口竜介監督の最新作
村上春樹原作の映画『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー外国映画賞を受賞した濱口竜介監督の最新作、『悪は存在しない』を見てきた。
間違いなく、今世界で最も評価されている日本人監督の一人、濱口竜介監督。
DriveMyCar効果もあってか、
京都の出町座がまさかの満員御礼で、あわてて京都シネマで鑑賞。
予告編はこちら。
いつもどおり、ネタバレありのざっくり感想を箇条書きで。
感想・レビュー
最近邦画もよく見るようになったし
・OPのビジュアルがかっこいい(ゴダールのパロディ)
・冒頭の林の中を長回しする映像はちょっと冗長
・しばらく台詞なしなのは挑戦的だったけど、動きも普通すぎるのが難点
・子役の女の子がうまい
・主人公のたくみ役の人はあんまり上手に思えなくて好みじゃなかった。
・川の水を汲むシーンがとてもよい
・鹿の水飲み場が美しい
・丘ワサビ食べてみたい
・植物や樹木の説明シーンが地味に良かった
・東京の移住してきたうどん屋の女性が、マムートのジャケットきてたり小道具が細かくて◎
・グランピング施設に対する村の反発は凄くリアル
・芸能事務所のおっさん、社長、コンサルの胡散臭さとキャストの配役が〇
・あの土地は、そもそも政府が開拓を推奨した土地で、実は歴史が浅く「みんなよそ者」
・区長の演技も好き
・「水は上から下へ流れる」、というのが大きなテーマ。映像的にも物語的にも比喩的にも。
・都会と田舎の知識のギャップがうまく描けていると思う
・「半矢」という言葉は初めて知った。手負いの動物のことを指す用語らしい
・ラストシーン、まさかそういう展開になるとは・・・。
『異人たちの』もそうだったけどこういうの流行ってるのかな?
・全体的にサウンドトラック、BGM、そして効果音の使い方がすごく良かった、
と思いきや、あのジム・オルークが音楽に参加しているらしい。そりゃあ良いわけだ。
がっつりネタバレになるけど、
「ブラジリアン柔術の技がででくるとはね・・・」というネタのような真面目な驚き。
序盤~中盤にかけてちょっと邦画のいやな部分が出ていてこれはどうだろう、
と思いきや、
後半の展開はグッとよくなって、結果好きな映画になってしまった。
人と自然。すべてはバランス。
これに尽きる映画だった。