東京の自然や緑についての柴崎友香さんのエッセイが良い。

作家・柴崎友香さんのコラム

Twitterで目にした雑誌ブルータスのウェブ記事がなかなか良かったので、
グリーンショップの立場もあって、軽く紹介しようかと。

 

作家・柴崎友香が語る、東京の緑。樹々が伝えてくれるもの

 

二十年以上前、東京に住んでいた友達が連れて行ってくれた表参道だった。どこかお店にも入ったと思うが、ケヤキのことしかわたしは覚えていない。あんなに太くまっすぐに伸びる幹をわたしは見たことがなかったし、空を覆うように広がる枝も、森の奥深くみたいな密度で茂った葉も、あまりに圧倒的だった。

そんな立派な巨樹が、道に生えているということが、なによりの驚きだった。

 

千鳥ヶ淵や砧(きぬた)公園で、サクラが地面に向かって這うように枝を伸ばすのも初めて見た。九品仏(くほんぶつ)の浄真寺、田園調布や国分寺崖線の斜面で空に向かって高くまっすぐ伸びるクロマツやアカマツも、何度出会っても心がぱあっと開いていくように感動する。木々は意志を持って生きていると、わたしには思えた。

 

何十年という時間をかけて、やっとここまで東京の緑は増え、「自然」に見えるようになった。東京の美しい緑色のところ、木々やそれを取り巻く生き物たちを、失わないでほしい。

それは人間には簡単に作り出すことができないものだから。

 

僕自身、東京に一人で旅行したとき、
意外とたくさん緑が生い茂っていたのに驚いたのは、
この文章と重なるところだなぁ、というのがこのエッセイを読んで浮かんだ感想。

メガロシティーな東京といえど、
数十分電車に乗りさえすれば、

静かな自然のある場所に行けるのがこれまたすごくて。

(その代わり、綺麗な川は全然見当たらないのがあれだったけれど)

大都市だからといって、
でかいビルばかりが建つのではなく、
自然と調和した、誰もが心地よく過ごせる環境を目指すべきだよな、
とやっぱり思う。

神宮外苑再開発の樹木伐採計画も今後どうなるか分からないけれど、
不必要なビル建設はうーん、と思わなくもない。

今日はそんな感じで。
かわなみ

同志社大学今出川図書館の思い出と写真(閉鎖前)

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