「これからの京都らしさ」中井 治郎さんのエッセイが興味深い。

JBPressの京都コラム

最近とあるきっかけで見つけた「JBPressオートグラフ」の京都に関する連載が
なかなか印象に残ったので軽く紹介。

そもそも京都らしさとは何なのか、
これからどういう方向に京都という街が向かっていくべきなのか。

そんな京都を巡るエッセイが読めます。
書き手は中井 治郎さんという社会学者の方。

巣立ちの街「京都」で暮らしていたという経験は、人生に何をもたらすのか?|これからの「京都らしさ」(第12回)

 

京都という街は観光都市であり、多くの寺社を擁する宗教都市である。しかし、川崎市と同程度の150万人という人口規模でありながら約40もの大学・短大が集積する「大学のまち」としての顔を持つ。人口に占める大学および短大の学生の比率は日本の都市でもっとも高く10%程度にものぼる。これは第2位である東京23区のほぼ倍の割合である。この国にこれほど学生で溢れかえっている街は他にない。

 

彼らはこの箱庭のような「ややこしい」街で、たまに叱られたり、たまに小さな奇跡を起こしたりしながら、数年間を過ごす。そして何度目かの春がやって来ると、たんぽぽの綿毛のようにまた風に吹かれてそれぞれ散り散りに飛び立っていく。

 

退屈をかくも素直に愛しゐし日々は還らず さよなら京都                      栗木京子

 

京都の穴場?存在こそが奇跡の庭園「府立植物園」に見る、もうひとつの美学|これからの「京都らしさ」(第13回)

 

僕がこの植物園にまるで天国のような場所だと感じた特別な魅力は、その囲いの外に満ちる時代の空気とは別の理(ことわり)の空気を感じたからなのだろうと思う。そして、その道を極める「浮世離れ」への敬意は京都の美徳でもある。そのような意味でも、この植物園は「京都らしい」場所なのであろう。

 

 結論からいうならば、京都の人々がこれを受け入れることはなかった。この再整備案は当局の予想を上回る市民の反対を突き付けられ、運動と対話の結果、その方向性は大きく修正されることになったのである。僕の天国はひとまず守られることになったようだ。

 

 

京都に「一見さん」が帰ってくる…観光の再始動を喜べない、京都人のジレンマ|これからの「京都らしさ」(第11回)

観光公害についても

 

…いまや京都は観光の実験場ともいえるほど先端的な試みが多彩に展開される街となったが、それらの試みに共通するコンセプトを抽出するなら、たとえばコロナ禍の真っ最中である2020年12月に京都市とDMO KYOTOが共同で発表した「京都観光モラル(京都観光行動基準)」を参照することも有益だろう。

 

 おりしもアフターコロナの世界のツーリズム業界では、地域の資源をただ消費するだけだった従来のツーリズムへの反省から、レスポンシブル・ツーリズムがひとつのキーワードとなっている。観光という営みの結果に対して観光業者や地域住民だけでなく、観光客自身も自覚と責任を持つべきとするツーリズムのあり方である。

 

他にもいろんなテーマで
中井 治郎さんがエッセイを書かれているので京都の方にはほんとおすすめ。

著作はオーバーツーリズムに関するものが多いそうなので、
また時間があるときに読んでみたいなと。

今日はそんな感じで。
かわなみ

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