アカデミー短編ドキュメンタリー賞ノミネート
映画『オーディブル:鼓動を響かせて』を見た感想。
第94回アカデミー短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた作品とのことで、
さっそく見てみました。
最後のホームカミングの試合を控える、
ろう学校アメフト部所属の高校生を描いたドキュメンタリー。
髄膜炎で二歳の頃に聴覚をなくしたろうのアメフト選手を主軸に話が進みます。
以下、印象に残ったことや感想を箇条書きでざっくりと。
- もちろん観客の声は聞こえない、でも振動は感じる。
- 人工内耳もあるが、音楽を聴くときにしか使わないそう
歌詞は聞こえない - BGM以外にはほとんど台詞は使われず、
聞こえない音を振動で表現しているのがすごい、 - 健常者ばかりいるところにいると、やはり孤独を感じてしまう
- ドラムをスタートの合図にするのがかっこいい
- 聞こえない分、ほかの感覚が鋭くなるし、視野も広い
- 健常者はろうチームに負けたくないから試合をしたがらない、
という現状も
友人の自殺や、手話での試合中のやりとりなど細かいところも楽しめました。
アメリカンフットボールの知識がなくても大丈夫かと。
みんなで集まってダンスするシーンが
不思議と印象に残ってますね。
本当に大切なのは卒業してからです。
この先は何の保証もない。
というライアンコーチの言葉が重い。
僕がやっているブラジリアン柔術でも、
視覚のない選手とスパーをしたことがあるのですが、
案外なんとかなるそうで、質のちがう強さを感じました。
この映画を観て、あたり前の感想になりますが、
一人の人生ってほんとに重い。
短い人生、自分らしく生きることのが一番だよね、と思う日曜の夜でした。
じわじわと盛り上げるBGMもクールで、
ヘッドフォンで聴きながら見ると臨場感がマシマシなのでおすすめ。
短編ドキュメンタリー賞は受賞ならず、でしたが
十分にみる価値のある作品でした。
(最後にしっかりカタルシスがあればもっと良かったんだけれど)
『 サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜 』も突如難聴と似たテーマなので、
こちらも気になるところ。
映画『オーディブル:鼓動を響かせて』は38分と短めなのでぜひ。
2021年のアカデミー賞短編実写映画賞を受賞を受賞した『隔たる2人の世界』はこちらより