スリルや恐怖を追い求めてしまう理由

危険を求める人間の習性

ナショナルジオグラフィック誌の「なぜ「怖い」は「快楽」なのか、スリルを求めてしまう背景とは」という記事が面白かったので、軽く紹介。

印象に残った部分をいくつか引用。

 

生物学的な恐怖反応は非常に複雑であり、扁桃体から前頭葉まで、さまざまな脳領域に影響を与える神経伝達物質とホルモンが関係していると、米スタンフォード大学医学部の精神医学・行動科学の臨床教授で、不安障害部門長を務めるエライアス・アブジャーデ氏は言う。この複雑な反応が、ストレスのような不快な感情と、安心感のような快い感情の両方を引き起こす。

 

恐怖が全身に及ぼす影響はときに爽快に感じられ、恐怖の対象が消え去ったときには、満足や勝利の感覚を覚えることさえある。

格闘技もある程度こういう側面を持っている気がする。

 

 お化け屋敷であれジェットコースターであれ、それが本当は安全なものだとわかっていれば、恐怖はワクワクするスリルのように感じられると、アブジャーデ氏は言う。

 

 恐ろしいものに立ち向かったときに何も悪いことが起こらなかったという経験は、そうした対象に対する恐怖の意識を薄れさせる場合もあるが、これにはマイナスの側面もある。

まあ恐怖に慣れすぎて「怖いものなし」というのも逆に危ないという話。

 

人間が感じる恐怖の中には、進化の過程で「あらかじめプログラムされた」ものも含まれていると、米ハーバード大学の神経学・精神医学准教授アリス・フラハティ氏は言う。われわれの祖先は、恐ろしい刺激を避けることを学び、そのおかげで彼らは生き延びて、恐怖の本能をわれわれに伝えた。

 

遊園地での体験は「不安を煽る」ように演出されているものの、そこにはほっと一息つける瞬間も含まれているという。「人々は最初はゆっくりと、グループで固まって入ってきますが、怖い部分が終わるやいなや、大声で叫んだり、笑ったりしながら出てくるのです」

エンタメの大半はこういう仕組みを持っているのかも。

いやー科学って面白い。

今日はそんな感じで。
かわなみ

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