生成AIとハリウッドと脚本家と。

人工知能の苦手なこと

現在、アメリカのハリウッドで、脚本家がストライキをしているのはは日本でもよく報道されている話。「映画会社が映画脚本家をAIに置き換えるのでは?」という恐れも、このストライキを過熱させている一因である。

そんな現状で読んだ清水亮さんというプログラマーによる「WirelessWire News」でのコラムが興味深かったので軽く紹介。

・試しに映画の脚本を書いてみてわかった。生成AIではどうにもならないこと

試しに映画の脚本を書いてみてわかった。生成AIではどうにもならないこと

 

さて、ひょんなことから映画の脚本に挑戦することになった。といってもそんな大作ではない。超低予算映画の相談に乗っているうちに、自分で書くしかないか、と思ったのである。

しかし、ゲームにはどんなものであれ、一定の世界観が必要であり、そこには物語がからむ。
ところが、映画というのはたった二時間で終わってしまう。

全体のプロットをまとめる、いわゆるハコ書きから初めて、そこから脚本作業に入ると、脚本そのものは一日もかからずに書き上がった。
数えてみると25000字くらいしかない。ほとんどがセリフだから、まあそんなものなのかもしれないが、こうしてみて、「一体全体アメリカ脚本家協会はなにを恐れているんだろう」と思った。

僕の知る限り、こういう作業は、ChatGPTはもちろん、他の大規模言語モデルでも、根本的に苦手だからだ。
というのは、脚本というのは表に言葉が現れない。言外の意味を行動やセリフに持たせる。

それはつまり、脚本家の頭の中には、ある程度の映画の全体のストーリーや場面が見えていて、それを実現するためにあえて抑制的な表現で物語を描くことが多いからだ。

それに25000字なら人間でも一日あれば書けてしまう。
AIが書いた脚本を修正するより最初から人間が書いた方が遥かに効率が良さそうに思える。

そもそもAIは、筆が乗ってきて書き始めた時と全く無関係な結論に着地したりはしない。
人間が書く文章の面白さは、ほとんどそこで決まる。

誰かが誰かに手紙を書く、ということが映画作り、もしくは物語作りの本質だとすれば、それは現代のAIが代替不能な機能である。

他にもスタジオジブリ最新作の『君たちはどう生きるか』についても言及されていて、
あれはAIにはできんだろうな、と僕も思ってたので超同意。

人生経験はデータには書き起こせないものだし、
まだまだ人間にしかできないことはたくさんありそうだなと。

それがいつまで続くかはちょっとわからないけれど。

今日はそんな感じで。
かわなみ

今日の良かったこと:
京都に新しくオープンしたジェラート屋「SHUKA」やリニューアルした「鴨川湯」に行けて
最高の日曜日だった。

『君たちはどう生きるか』を観た感想

報道ステーションのAIロボットの歌に思うこと

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