WIREDの生成AI特集を読んだ感想

ワイアード Vol.49

2023年6月号の『WIRED』はジェネラティブAI特集ということで、さっそく読んでみた感想をざっくりと。

ワイアード生成AI特集

感想・レビュー

・冒頭の『生成AIと自然』という「WIRED」 日本版編集長松島さんのエッセイがすごく良い。
だが自然は生成的であると同時に、 再生的でもある。睡蓮の葉はやがては枯れて冬の間、池一面は静かに水を湛え、翌春に再び数枚 の葉がまず現れて、指数級数的に成長していく。それを毎年繰り返 すのだ。人類はこれまで、技術の進化や資本主義における経済成長 をジェネラティヴに捉える一方で、 四季が巡る自然をリジェネラティヴ なものとして対比させてきた。でも自然そのものが、生成と再生が折 重なったものだという認識は、ここで絶対的に重要だ。
翻って、加速度的に進化するデジタル技術や四半期ごとの成長を課せられる資本主義に代表されるいまの成長偏重社会にあって、まだぼくたちに足りていないものは、「脱成長」といった反自然で人 工的な解決策ではなく、自然に倣って生成と再生の両輪を回すこ とであるはずだ。 いま世界で「リジェネラティヴ」が注目されているのは、だから単に「環境の再生」といった意義を超え、リジェネラ ティヴな技術や経済を社会に実装することで自然へと回帰する、その大きなパラダイムシフトの表れなのだ。
・サステナブルとリジェナラティブの違いもわかりやすかった

・リジェナラティブ・カンパニーがたくさん紹介されていた。

  • Renovate Japan
    →空き家問題を解決し、地域のセーフティーネットとなる
  • SynecO シネコ

    →「痩せていく土地をいかに回復させるか」シネコカルチャー 協生農法

  • Living Carbon アメリカ
    →遺伝子操作で炭素吸収能力を高める
  • Loam Bio
    →種子コーティングで多くの炭素を土壌にとどめておける

    収穫量もアップし、土壌もやせにくい

  • Gaudiy
    →ファンの経済圏をつくる日本企業

・イーサリアムは「Infinite Garden(自然の庭)」

・漫画『「リジェナラティブ就活」のイロハ』
→将来の就活は価値観を共有できる仲間を探す感覚?

・哲学界のロックスターマルクス・ガブリエルのインタビュー

完全なる均衡というのは、わたしたちに は達成できません。それは不可能だし、そ れ自体は悪でもありません。 完全にニュー トラルという状態は不可能です。つまり、わ たしたちは完全なる善とはなりません。それでも、現状はあまりに邪悪になり過ぎて います。多くの方法で、 悪を減らすことができます。
イデアは古代ギリシャのインターネットみたいなもの、という発想も面白い
・川田十夢さんのエッセイ『キャシャーンと味の素』の切れ味もさすが。

・途中で紹介されていたカッサ・オーバーオールの『Animals』も軽く聞いてみたけど現代風のジャズヒップホップで最高だった。

毎回新しい発見しかないワイアード、
今回も刺激たっぷりだった。

今日はそんな感じで。
かわなみ

今日のよかったこと:
柳樂光隆さんのDJをHachi Recordsに聴きに行ったけど、最高によかった。
また京都に来て欲しいなと。

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