日本人の味の文化史
最近読んで面白いな、と思った味覚に関するエッセイ『日本人の味なニッポン戦後史』。
澁川祐子さんによるサイゾーの連載を軽く紹介します。
コラムはこちらより読めます。
ということで引用を含めざっくりと。
伝承料理研究家の奥村彪生は、だしについて「昆布も鰹節も、これほど使われるようになったのは、流通が発達したからです。ただし、昆布は圧倒的に京阪中心で、全国的に使われるようになったのは戦後になってからです」と述べている
そこから「だしの素」のヒット、そこからの反動についても書かれていてかなり興味深かった。
「和食」という雑な概念の設定が生んだほころびみたいなものについても言及。
「和食」という大きな枠を設定し、何もかも取り込もうとしてわかりにくくなった背景には、じつは登録までの紆余曲折が大きな影を落としていた。
見せたい姿に都合よく「伝統」という言葉をかぶせているようにしか受け取れないのだ。
しかし、一面を切り取った「伝統」はあらゆる場面を通じて伝達、強化されていく。
日本の“塩事情”についてのエッセイもなかなかよかった。
思えば、我が家の台所にはお土産でもらったもの、旅先で買ったものなど常時2~3種類の塩のストックがあるが、それらの商品名は必ずといっていいほど、土地の名を冠している。ひと味違う塩であることを伝えたいとき、地名は手っ取り早い差別化のための記号なのだ。
塩の種類が飽和状態になると、今度は塩と別の素材との組み合わせが、食のトレンドをにぎわすようになる。
そこから塩スイーツのブームが起こる背景に繋げていくのも見事。
スイーツとジェンダーを絡めたエッセイも。
食文化は僕らの生活に密接に結びついているので、
こういうのを追うだけでも沼にハマりそうですよね。
今日はそんな感じで。
かわなみ